クライオ処理の真実

最初に断っておくがクライオ処理を否定する内容では無い。

クライオ処理については金属の焼き入れに効果がある処理だが、摘要出来る金属と摘要しない金属が有り、楽器に使われている真鍮は適用されない金属だと言う事が前提として以下本分を読んで欲しい。

クライオ処理と言うのは全ての金属に有効な処理では無いと言う事だ。

もし、鋼のマウスピースがあったら、効果を感じるのかもしれないとは思っている。

ただ、焼き入れ前と焼きが入って固くなる事で発音が良くなるのかは予測が出来ない。

鋼のマウスピースがあったらの話だけどね。

このホームページ、トランペットステーションのホームページで「DCT処理」をキーワードに検索した結果の画面だ。

ヒットした3件は、DCT処理では無く製品名に「DCT」が入っていたのでひっかかっただけなので消してあるが、DCT処理製品が0になっている。

これは、前日に検索した結果で、3件を抜いて11件のDCT処理製品がヒットしている結果。

実は、これには訳があって、私が原因なんだがDCT処理について問いあわせた結果こうなった。

これは、問いあわせに対してトランペットステーションのKさんが真摯に受け止めて回答してくれた内容で、ちょっと感動した返信だ。

玉城さま

お世話になっております。
トランペットステーション○○でございます。

早速ですが、お問合せ頂いておりますクライオ処理に関しまして、
メーカーより回答がございましたのでご連絡させて頂きました。

下記、回答となります。

———————————————————————————-

このたびは、弊社のDCTV処理サービスに関する説明文につきまして、ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。
お客様からのご指摘を受け、あらためて社内で査読しましたところ、おっしゃるとおりの印象を招く可能性のある文章であったことを確認いたしましたため、当該の説明文はいったん取り下げることといたしました。
現在、弊社としては、DCTV処理という技術には効果を示す視覚的データはなく、あくまでも音への影響であり、その感じ方には個人差があるとの認識を持っています。
当該の説明文を作成した開発担当者がすでに弊社に在籍していないため、少々お時間をいただくことになりますが、専門家に相談の上、現在の弊社の認識によりマッチした、よりわかりやすい、誤解を招きにくい説明文を作成して参る所存です。

このたびは貴重なご意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
何卒今後ともよろしくお願い申し上げます。

株式会社タツミ楽器
巽 ○○(社長の名前だと思う)

———————————————————————————-

上記、メーカー回答を受け、当店と致しましても視覚的データでのご案内が
出来ない現状、今後メーカー対応を仰ぎ、確りとしたご説明が出来るまでは、
Webサイトでの販売を見合させて頂きたく存じます。

また、玉城様より頂きましたご意見を踏まえ、今後につきましては、お客様へ
ストレス無くお買い物をお楽しみ頂けるよう改善、工夫を考え信頼を
寄せていただける様なショップ作りを目指してまいります。

何卒、宜しくお願い致します。

と言う事で、トランペットステーションでのDCT処理製品の取り扱いが見合されたと言う事なのだ。

トランペットステーションの場合、DCT処理製品を取り扱わなくても、他にも販売する商品があるので、依存しているわけでも無く、指摘を受け、自社としても納得出来ない事がわかれば取り下げても死活問題にはならないので今回、商品を取り下げたんだと思う。

他に「音響処理GAT」というところがあり、同じ様な質問をしているのだが、ここは全く真摯に受け止めていなくて、無回答だ。

それもそうで、ここはクライオ処理信者だと思われる節があって、これにかけているんだとおもうのだ。

そうなると、それを自己否定するわけにはいかないわけで、死活問題になるのではぐらかすしか方法は無いんだろうと想像がつく。(個人的憶測ですが)

ここで、大事な事を言いたい。

これが、単に物理変化に対する対価を製品に上乗せしている商売なので、商売する上ではその根拠を示す必要、責任が発生すると単純な構造だ。

トランペットステーションの場合、評価出来るのは根拠の無い商品を販売していたことに気づき、非礼を詫びディスプレイしない結論を出した事だ。

とても好感がもてる行為で、私は今後、こう言う販売店で楽器を買おうと素直に思った。

ところが音響処理GATの場合、商品がこれしかないので根拠が無いと解った時点で、店自体をたたまなければならなくなるので死活問題だろう。

それは、商売を始める前に、自分のやろうとしていることが果たして根拠がある事なのかと言う事を真摯に受け止めなかった結果で、おそらく近いうちに潰れるだろうと予測している。

前回にも例えた話がわかりやすいので再度記載するが、ネットでとっても美味しいミカンと言うのが販売していたとしよう。

そこに、普通のミカンがDCT処理、またはGAT処理をする事でとても美味しい甘いミカンに変化しますと書いてあったとしよう。

そこには、食べた人の声として、「ほんと、ビックリ、スーパーで買った安いミカンが高級ミカンみたいに甘くて美味しくなって驚きました。」「これはスゴい、普通のミカンが超甘い美味しいミカンに変わった」とか書いてあったら本当か!?と思いませんか。

なので、単純に、普通のミカンがDCT処理したら、GAT処理したらどう美味しくなるんですかと聞いただけに過ぎない。

すると回答として、食べた人が美味しいと言っているのでとか食べてみて下さいと言う回答が返って来れば不信に思うだろう。

だから、どう変わったのか客観的に知りたいと思ったので、数値の変化を見せてくれと言った所、どこも、数値データは用意してない、お答えできないと言う回答だ。

仮に私がこのミカンの商売をするなら、普通のミカンの糖度は10~12位ですが、処理することで、15~20に上がります。と付け加える。

これが根拠であって、後ろ指さされない商売が成立する。

かといって、糖度が上がって甘くなることを美味しいと感じるかは人それぞれだ。

そこまでのデータを出して食べてみて下さい、と言うなら解るが、データも出さずに、根拠も出さずにただ音が良くなり、レスポンスが良くなると言われ、聴感には個人差があるのでそう思わない人もいるかもしれませんと言われて素直には受け入れられないわけだ。

だから、最初から否定するつもりは無かったのだが、商売上かなり問題があると感じたので現状、クライオ処理には全く根拠が無いと言わざるを得ないという事だ。

効果が無い根拠と言うのは、真鍮と言う金属は加工のストレスが発生しない上に、同素変態が発生しない(この単語よく出てくるなぁ)金属で知られている金属だ。

わかり易く説明すると、包丁の様に焼きが入らない金属なので、堅くならないのだ。

鋼は同素変態して分子の隙間に炭素が入り込み、炭素と結合する事で堅くなり焼きが入る性質の金属で、加工においてのストレスも発生していると思う。

体の柔らかい人が180度開脚で座っていてもなんらストレスを感じないと思うが、私みたいに身体が堅く90度くらいしか開脚できない人が無理矢理180度開かされたとすると痛くてしょうが無いし、どこか筋もきれるだろう。

鉄は曲げ伸ばしの性質がないので、加工におけるストレスと言うのがあり、曲がったところから錆びたり朽ち果てていくのは見たことがある。

ところが、真鍮は体の柔らかいひとと同じで、曲げ特性、伸張特性などを持ち合わせた金属で加工がしやすい事で知られているので、例え曲げた加工をしたとしてもそれは、金属の特性として安定して受け止めストレスは発生しない。

古いトランペットや年代物のトランペットをみたら解ると思うが、曲がっているところが錆びているもの見たことがあるだろうか。

私は見たことが無い。

マウスピースのどこに加工時のストレスがあると思うだろうか。

長年の抜き差しで、シャンクのメッキが剥がれた物は見たことがあるが、なんら固体を堅持しているものしか見たことが無い。

あくまでも金属の材質には特性があって、実際にクライオ処理が効く金属と、効かない金属が存在するわけで、残念ながら真鍮の特性上、クライオ処理には意味が無い事は数々の実験や根拠から容易に情報を得ることが出来る。

ところが、変化するという情報を自分なりに色々と調べたのだがとうとう見つけることが出来なかった。

故に、この音響処理マウスピースと言うのは単なるプラシーボ効果だと結論付ける事ができる。

音響処理GAT信者の方には申し訳ないが、その根拠を示してもらえない限り信用に値しない情報だと言う事を言及したい。

第三者を信用させるのは客観的なデータが必要でこの客観的証拠を提示しない限り、「嘘つき」と言うレッテルを剥がす事は出来ないと恥じて知るべきだろう。

また、元々はギターなどのシールドに施したことが始まりの様だが、この根拠も見つける事ができなかった。

音響処理済みシールドと言うのが販売しているが、これは材質が銅線だと思うのだが、真鍮の材料でもある銅も同素変態しない金属だ。

銅自体を冷却することで電気抵抗が無くなり、電流の流れが良くなるのは理解出来る。

ところが、それは冷却状態での電流の数値であって常温で元に戻る性質の金属だと言う事を知っておくべきだろう。

それなのに、処理前の電流抵抗値が処理後にこうなったと言うデータが一切見つからない。

しかも、そのシールドを使って演奏する事で明らかに音が変わったと言う信者の声の多い事。

ならば、誰か1人くらいこの数値がこうなったと言うエビデンスを用意している人がいてもいいと思うのだが、変わらなかったと言う数値を残している人を見つける事は出来たが、変わったと言う人を1人も見つける事ができなかった。

客観的データを見せない限り少なくとも俺は信用しない。

とはいえプラシーボ効果を否定するつもりは無く、頭痛薬として飲んだ単なるお菓子のラムネを飲んで頭痛が治る人もいるのは事実なので、音が良くなったと思って、自分自身のテンションが上がり良い演奏に結び付いているとも考えられる訳だ。

ただ、商売するなら、ちゃんとした根拠を示して欲しいと思う。

コメント