YAMAHA YTR-6320S

俺の愛機YTR-739Tはついに、入院してしまった。

と言うのも、一度イシバシ楽器に修理依頼したところ、何も問題なしで帰ってきたという経緯があって、修理の姿勢に問題があることが分かって、それ以来、イシバシ楽器には修理依頼することは無く、それならなんとか自分で直せないか、磨いたりしてみたのだが、なんせ、ラッパはこれしか無いので、取り返しのつかないダメージを与えるわけにもいかず、騙し騙し使っていて、バルブオイルを薄く付けることで、なんとか現象は収まっていたので、それで対応していた。

発生している事情というのは、3番ピストンの戻りが悪く、引っかかってカコンとなるときがあるのだ。

斜め手前に力をかける感じで押すと引っかかり、前側に力をかけながら押すと、スムーズに動くのだ。

なので、ボタンの上の指のポジションを少し手前側になるように使っていた。

しかし、とうとう、3番シリンダーを多用する楽譜に遭遇してしまい、演奏中、音を外すと言う自体が頻発するようになってしまった。

外すといっても、バルブが中途半端な位置にあるので、次の音が一瞬当たらなくなる訳だ。

これは結構ストレスで、仕方なく、京都三条にあるJEUGIAの管楽器館に望みをかけることにした。

機種がYTR-739Tと言う古い機種なのはすぐに分かるわけで、実質35年前の楽器だ。

古い楽器はバルブが消耗して隙間が空いて、ハウジング内でがたつくと言うのが一般的な見解なんだろうが、実質、使っていたのは高校時代の訳3年ほどで、後は押し入れの中で寝かせていたわけで、消耗という消耗は無く、銀めっき特有の変色は酷かったが、使い始めたときにシルバーポリッシュで磨き、新品と見まごうばかりになったので使っているが、まぁ金属疲労と言う考えがなきにしもあらずで、それなりに金属自体は35年の歳月で多少は変化しているだろうから、摩耗が早くなっている可能性は否めない

と言うことだが、事情を理解していただき、3週間の時間を言い渡された。

しかし、その場合、次の練習に楽器が間に合わず、練習を休まなければならなくなってしまう。

そこで、最悪、直らなければ意味が無いし、楽器1台と言うのも壊れたときになにも出来なくなるので、ここはもう一台仲間を増やすことにしたわけだ。

そこで、ネットで中古の楽器を探してみたのだが、楽器本体はオークションで買うのに抵抗があって、楽器屋で買っておきたい。

結局、またイシバシ楽器で買うことになるのだが、元々欲しい楽器はYTR-6310ZSで、プロモデルの現行機だが安くても16万円前後する。

中古でも、程度の良いものは10万円オーバーあたりが相場の様だったので、ちょっと手が出せない。

で、妥協したのがYTR-739Tが生産中止になった後にでたYTR-6320Sに目を付けた。

739Tもプロモデルで、当時は型番の一つ目の数字がモデルのカテゴリーを示していて、6番、7番がプロモデルになる。

ちなみに3桁型番時代は、1,2番はステューデントモデル、3はインペリアルモデル、9はカスタムを表している。

現在の4桁型番では1,2,3,4番がステューデントモデル、6番がプロモデル、8番はカスタムになっていて、5,7は使われなくなり、9は特殊品(カスタム)に使われることもあるようだ。

2桁目は調性を意味していて、3番がBb、4番がC、5番がD、6番がEb(Eb-D)、7番がF-G、8番がA-HighBb(Picc.)と言う意味になっている。

3桁目はボアとの見方も出来るが、必ずしも当てはまらない(コルネットが該当)
トランペットBb管の場合の3桁目は、1番がMボア、127mmベル仕様、2番がMLボア、127mmベル仕様、3番がMLボア、123mmベル仕様m4番がLボア、123mmベル仕様を表している。

4桁目は支柱のあるなしで、通常0か5で、0は支柱無し、5は支柱ありとなっている様だが、例外は結構あるみたいだ。

なので、739Tの場合、プロモデル、B♭、Lボア(9はLボア?)、トリガーモデルとなる。

6320Sの場合は、4桁型番になっているので、プロモデル、B♭、MLボア、127mmベル、支柱無し、シルバーと言う見方が当てはまる。

xenoとか8335となると、カスタムモデル、B♭、MLボア、123mmベル、支柱ありと仕様を読み取ることは出来る。

自分の楽器の正確な仕様を知っていると、特性を生かして、自分の演奏方法と楽器が合っているのかなど、無理ない奏法になっているか把握出来るのでは無いだろうか。

俺の場合、普段、Lボアでリバース管、123mmベルの739Tを使っているので、ある意、息はガンガン入るので、エコ奏法しないと、バテやすくなるので、唇を鍛えないといけない。

今回仲間に加えた、6320はMLボアでちょっと細くなり、127mmベルでベルは大きくなる。

大きいベルト小さいベルでは響きは違い、遠鳴りはしなくなるかもしれない。

ただ、若干の抵抗感があるので、739Tではちょっと当たりにくかったハイノート域が出しやすくなったので、LボアとMLボアの違いは実感出来るレベルで確認出来た。

ベル自体も739Tは2枚取りのゴールドブラスで、6320は1枚取り、イエローブラスだ。

1枚取りの昔ながらの製法のベルは一度、使ってみたかったので、どんな響きか、まだ、全開で鳴らしてないので楽しみだ。

2枚取りと1枚取りはかなり響きに差が出ると思っていて、2枚取りは工業製品として大量生産時の安定した品質を確保する為の製法だが、1枚取りは職人の癖が出やすく、先に行くほど材質が薄くなるので、俺の6320を叩いた、YAMAHAの職人の腕に期待するしか無い。

それにしても、今回、いつもは1stパートの担当なんだが、2ndを吹くことになっている。

ラッパの構成でジャズだからなのか、2ndパート譜は、ソロが多く、今回、そのソロを割り当てられてしまった。

1stはどちらかというと、ハイノート部分をパリッと当てて、鳴らし続ければ良いのだが、2ndは結構高めの音域もあるし、ソロ部分も普通に割り込んでくるので一番、難しいパートだと思っていて、高音ばっかり大変だと思われがちな1stは実は慣れると結構楽なのだ。

それで、楽していたのだが2ndだとちゃんと仕事しないといけなくなってしまうので、6320を仲間に加えたのは正解だったと思いたい。

しかし、739Tは高校入学のお祝いで、おばぁちゃんが買ってくれたもので、当時ラッパの種類とかなんも分からず、とにかく自分の楽器と言うことがうれしかったのだが、今にして思えば高校デビューでいきなり739Tは無いなぁとは思った。

で、今回はじっくりラッパの事を知った上での6320のチョイスな訳だが、739Tと6320Sの外見的な大きな違いは、1番トリガーとベルの大きさだ。

構えた際のベルの大きさって、たかが4mmしか違わないのに、結構大きく感じるものだと思うし、1番トリガーだと左親指がホールドされないので結構自由に持っていたのだが、6320の場合と言うか、ほとんどの楽器がU字フックが装備されているのだが、ここに親指を引っかけると言うのが初めて的な感覚で、なんかじゃまに感じてしまう。

吹奏感はとても良くて、なんかうまくなったと勘違いしそうで、楽器の違いって結構大事だと改めて思った次第だ。

実はYTR-8335も中古で良いのがあるにはあったのだが、支柱付きの8335GSで、リバース管じゃ無いのはちょっと俺的には安っぽく感じて駄目なんだなぁ。

だって、リバース管の方が楽器としては合理的だと思うので、本来、リバース管が当たり前の構造なんだと思うのだが、シルキーとかリバース管以外のラインナップってあるのかなぁ