チューニングスライドの欠陥に関してメーカーと直接やりとりした際、チューニング管の短さはプラスチック故のピッチを安定させるための処置で射出成形上の苦肉の策だと言うことは理解できたので、それなりに使う事にしたが、チューニング管に穴を開けてネジを突っ込んでストッパーにする方法を後でやってみようと思う。
今はしばらくこの状態で使ってみるが、メーカーがこの個体を検査調整したエビデンスを動画もつけて納品してきたので、かなり気に掛けてくれたようで大事に使っていきたいと思う。
それに、問題のバルブスプリングも同じ長さでスムーズに動く個体を用意してくれたのもありがたい話だ。
まだ、若干2番バルブの動きがわずかに気になるので、これは自分で調整したいと思う。
それと、3番スライドが超動かしずらかったのだが交換した個体はスムーズに動いてくれた。
いずれにしても、このpTrumpetを買った場合、バルブの動きを入念にチェックして少しでも動きが悪かったら初期不良として交換してもらった方が良いと思う。
とはいえ、このバルブスプリングはメタルトランペットのスプリングよりもやや強いのでスムーズに動くとは言え重い、堅い事には変わらないのだが、演奏出来ないレベルでは無いので指の運動的に割り切って使っている。
それにしても、まぁこのプラスチックトランペットは良くできている。
前に、YAMAHAは2330を吹いたときよりも遙かにプラスチックトランペットの方が息が入りやすく音も良い。
ただ、やはりメタルの響きとプラスチックの響きと言うのはいくら周波数が近づいたと言っても、全体の響きが軽く、特にhinoモデルのHeavy仕様と比較すると音の重たさの点とかロングトーンの際のうねりと言う感じの響きは違うので、ロングトーンの多い曲には向かない様に思える。
なので、テヌートが多い曲なんかだとかなり音色の差が出てくる様に思う。
スタッカートとかアクセントの多い曲だとプラスチックでもメタルでも音色と言う響くところまで行かないので違いがわからないが、テヌートなど目一杯1音1音しっかり吹く曲なんかだと音の軽さが顕著に表れる。
どうしても音に重みをかぶせるのが難しく吹き抜けてしまう感じで表現するのが難しいが、端的な周波数じゃない楽器そのものの響き、余韻部分にメタルとプラスチックの差があるように思う。
なので、余韻が残らない様な曲で早いパッセージの曲だとかなり使えると思う。
アニメのアンパンマンのマーチなんかもってこいの楽器ではないかと思う。
なので、これからも曲を十分に聞きながら、適宜プラスチックトランペットも活用してプラスチックトランペットの市民権を得ていければ良いなぁなんて思っている。
ただ、プラスチックトランペットだけと言うのはちょっと物足りなくて、あくまでも持ち替え用のサブ機としてつかって行くことになる。
これ一本でと言うのも割り切ってしまえば良いんだけど、どうしても表現力に関してはまだまだメタルのトランペットには追いつけてないので音色の幅を広げられないので物足りなくなってしまうのだ。
トランペットを始めようとしての最初の一本として、まずは音が出しやすいし、軽いと言う面ではかなり良いポジションにあるトランペットだが、普通に鳴らせるようになると、物足りなくなってしまい、次はメタルのトランペットが必ず欲しくなってくると思う。
プラスチックとはいえ4万近くもするので、そうなるとPLAYTECHの格安メタルトランペットの方が入門でも、吹けるようになっても使い続ける事が出来る点では中国産とは言え利点が多い。
やはりプラスチックトランペットの行き先は、多少ふける程度ではあるが、ネタとしての要素が8割、気分転換の為の一息として使う感じになりそうだ。
しかし、このHyTechはマジで面白い楽器になった。
そこで、前に交換したYAMAHAのスプリングが余っているので、交換してみることにした。
かなり強さが違うのでバルブの動きがメタルのトランペット並になめらかじゃないとおそらくバルブが戻らないだろうと思ったが、メーカーが入念に検査した個体なので、以外にスムーズに動いてくれ、交換に成功した。
YAMAHA純正のトランペット用スプリングなので、まさにタッチはメタルスプリングと同じになったわけだが、ゆっくりと戻すともたついて戻りが悪い。
ただ、引っかかっている訳でもなく、密閉度がキツい感じで戻らない感じなので、ピカールでバルブを磨いてつるつるにしてオイルはかなり軽めのYAMAHAのSuperlightにしてみると、上手いこと動くようになった。
こうなるとメタルのトランペットの動きが同じスコンスコンと動いてくれてちょっと感動
それと、最初の個体は3番スライドの動きが非常に悪く、動かそうとしても引っかかっているかんじで、じわーっと動かず、ロックが外れて一気に抜けるのでストッパーすら外れてとにかく使い物にならなかった。
この3番スライドも今度の個体はとてもスムーズで普通に動かせる様になっていて、最初の個体は間違いなく初期不良だったの認識できるほどだ。
前のフリューゲルホルンのスプリングも堅くて、これも純正のトランペットのスプリングに交換して動くようにしたのだが、プラスチックトランペットのスプリングもYAMAHAとかの純正スプリングに交換することでかなり操作性がまともになった。
こういう個性的な楽器は、やはり自分である程度カスタマイズ出来ないと、それなりに使うしか無いので良いところを引き出せず、結局プラスチックだからなぁなんて思われてしまうんだろうと思うのだ。
しかし、そんなに簡単に妥協せず、メーカーも金属製のトンラペットにいかに、プラスチックで近づけるかをテーマに作っているのだから、ここはユーザとしても操作性にこだわって、よりメタルのトランペットと遜色ないくらいにメンテナンスしてメーカーの意思を受け止めたいと思っている。
とにかく、交換してもらった個体はパーフェクトな品質で提供されていて、メーカーの意気込みを感じざるを得ない感じだ。
なので、裏を返すとこの筐体、以外に個体差がありそうな気もする。
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