トランペットにはヘビータイプとかライトウェイトとかミドルウェイトなどの分類が有る。
俺のHINOモデルはヘビーウェイトでZORROはライトウェイト寄りのミドルウェイトなんだろう。
1170gと1060gの重量で前に持っていたYAMAHAのYTR-739Tは1000gだったのでこれはライトウェイトだった。
この単に重量だけを増すためにZORRO専用のヘビーキャップセットと言うものが用意されている。
ピストン周りの重量を重くするパーツなのだが、ヘビーウェイトとしてはHINOモデルがあるのであえてZORROにこれを使う事は無いのだが、実際に音色がかわるのか気になったので試して見た。
と言ってもZORRO専用のキャップセットを装備したところで20gていどしか重くならないので、HINOモデルのピストンをごっそりZORROに付けてみたのだ。
これは、キャップだけではなく中身のピストンまでHINOモデルの物をいれてみたのだが、互換性が高くピッタリあつらえたように収まった。
設計が同じと言うのがよく解るわけだが、この状態でZORRO専用のキャップを交換するよりも重くなり45g増しになる。
ヘビーキャップセットと言う事から考えると倍以上の重量を増す事ができたわけだが、実際にヘビータイプの吹奏感、音色に変わるかだが、結論から言うと何にも変わらない。
単に1060gのトランペットが1105gのトランペットになり、これは見た目が好きなのでデザインチェンジの効果はあって格好良くなっただけで、吹奏感、音色はまったくZORROのままだった。
それもそのはずで、これがZORROのマウスレシーバーだがまぁ普通。
そして、HINOモデルのヘビーウェイトのマウスレシーバーがこれ。
明らかに厚みが違うわけで、HINOモデルにはライトウェイトモデルもラインナップにあるが、このマウスレシーバーが薄くなっている。
要するに、ヘビータイプ、ライトウェイトタイプの音色を司るのはピストン部の重量では無く、マウスレシーバーと言う事だ。
ビックリするくらい音色、吹奏感は変わらずZORROのままだった。
なので、ピストン周りのカスタマイズは操作性の変化や見た目の変化は勿論期待通りになり、重量バランスなどが中心になって持ちやすくなったり持ちにくくなったりと色々あると思うが、バランスはとても重要で、100gも差があるのに、持った感じはHINOモデルとZORROでは変わらない感覚で設計のバランスがすごく良いことを改めて感じるに至るわけだが、キャップの交換で音色は変わらない。
そして、ZORROにはBACHのメタルバルブガイドが上手いこと填まったのでそのまま使っているが、純正のメタル製のバルブガイドもある様なのでそれは問い合わせ中だが、BACHのでも十分操作性が向上したのでそのまま使うつもりではいる。
メタル製のバルブガイドは大きくは中のスプリングの反発ベースが金属となりぶれずに常に一定の弾性で操作出来る事が主なメリットであとはピストンをまわしたときの遊びが少なくなり押し込んだ時、オープンの時の穴のずれが無くなると言う点でメリットがある。
これも楽器の響きにはあまり関係無い。
無論、逆でヘビータイプにライトウェイトのピストン周りをごっそり入れ換えてもヘビータイプのままの吹奏感であって音色は堅持する。
音色を変えるのはあくまでもマウスピースとマウスレシーバーの関連だと言う事が実証実験で良くわかった。
そして、マウスレシーバーがもっとも重要なパーツだと言う事がわかったのだが、HINOモデルの1~3番の抜差管はZORROにも嵌める事ができるが、重量は変わらないのでバッチの効果があるかと思ったのだが、これも無い。
変更出来るパーツとしては、マウスピースだけで、マウスピースは同じマウスピースだが、HINOで使う時とZORROで使う時は違う感触になる感じはする。
HINO、ZORRO共にベストブラスの7Xが俺は好きで、スゴく相性が良くHINOで使うとより重さを感じる狙い取りの音色だし、ZORROで使うと音の軽さを抑えたしっとりとした音色になるが、輪郭のはっきりした重さに聞こえる。
7CにするとZORROの場合は本領発揮で上から下までパリパリした発音の響きできいてて小気味良いほどファンファーレトランペット的な音色で楽しめる。
HINOモデルにおいては、独特な中低音の吹き心地とハイトーンの切れが良くなるわけだが、ベストブラスのマウスピースとの相性はスゴく良いと思う。
それと、HINOとZORROの大きな違いは支柱かヒレかと言う構造上の違いがあって、菅の響き方が違うのは当然だ。
また、この2本を普通のマウスピースで評価してしまうと、マウスピースの音色を反映してしまうのでYAMAHAやBACHで使っているマウスピースは別物と考えた方が良い。(はっきり言って合わない)
勿論、ベストブラスのマウスピース自体、YAMAHAやBACHでも評価が分かれるところで、音がペラペラになるなどの評価にむずび付いてしまうが、それをQueenBrassのトランペットで使って評価するとおそらく違う評価になるはずだ。
トランペットとマウスピースの相性はスゴく重要で色々組み合わせてきたのでその辺は実体験で俺が選定品とレビューに書いている内容を鵜呑みにしないのもこの実体験のおかげだと思う。
ベストブラス以外のマウスピースはノーブランドのBACHもどきの3C、5C、7C、1-1/2C、YAMAHAは6A4A、7A4A、11、11C4、14A4A、14B4、14C4、16C4が手持ちのマウスピースだがもうベストブラスのマウスピースのアンブシュアになってしまったので、リム形状が合わなくてしんどいので評価出来なくなってしまった。
まぁZORROのヘビーキャップセットの意味合いはデザインの着せ替えの様なもので、ラッカーの本体にシルバーのキャップやその逆でツートンカラーにするのは俺も嫌いじゃないので好きで、どちらかと言うとシルバーの本体にゴールドのキャップが格好いいと思う。
そんな程度なので、ZORROにはHINOモデルのライトウェイトのキャップセットを換装するのは有りで、重くする意味が無いので重さは変わらなくても見た目のインパクトが変わり、HINOモデルっぽくなるのが好みなのだ。
とにかく、HINOモデルのデザインに惚れて音色はどうでも良く、この格好いいトランペットを吹きたいだけだったが、思いのほか音色も好みだったと言う事で、Queen Brassが好きになってZORROに手を出したわけだ。
ZORROもXenoや180MLにひけを取らない響き、音色、操作性でそれを司る組合せはベストブラスのマウスピースと言う事になる。
普通のマウスピースはXenoや180MLなんか向けでシャンクの長さも変わらない楽器自体の音色を生かすマウスピースで要するに喧嘩しない組合せだ。
Queen Brassの楽器はマウスピースの音色を楽器が反映するのでマウスピース自体に個性があるベストブラスのマウスピースの効果をそのまま生かす事になる。
このマウスピースはXenoや180MLと喧嘩してしまい、効果を発揮出来なくなると言うのが俺の結論なので、Xenoや180MLを吹くときは普通のマウスピースの方が断然良くてベストブラスのマウスピースは合わない。
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